華やかな花束や、お部屋を彩る素敵な装飾として多くの方に親しまれているチューリップ。この春の象徴のような花を、もっと長く愛でたいと思いませんか?ここでは、ご自宅に持ち帰ったチューリップの花が、長く色鮮やかに咲き誇るための秘訣をいくつかお伝えいたします。
長く楽しめるチューリップの選び方
花持ちが良く長期間楽しむことのできるチューリップを選ぶ際のポイントを解説いたします。特に、「蕾」と「茎」のチェック方法をご紹介します。
チューリップのつぼみの選び方
花屋で並ぶチューリップは、固く色の定まらないつぼみを持つものも少なくありません。これは開花に向かう初期の様子で、驚くほど短時間でカラフルに変化し、花開くことが多いのです。
急いで美しさを味わいたければ、既に色付き始めたつぼみを選択することを推奨します。そうすれば、翌日には花が咲き誇り、後は花弁が落ちるのを待つだけです。
だらだらと楽しみたいのなら、まだ色づいていないつぼみが良いでしょう。ほんのりと黄色やピンクが感じられる程度が最適です。そうすると、置かれた環境や温度にも左右されますが、大体10日から2週間程度は鑑賞することが可能です。
茎による識別法
チューリップには、蕾か開花状態かを見極めるのが難しいタイプも存在します。そんな時は、茎の様子を観察することがポイントです。切り花になった後も、チューリップの茎は成長を続けます。特に茎が過剰に長く、花の重みを支えきれずに垂れ下がっているようであれば、開花してからある程度の時間が経過していると考えられます。
チューリップを長く楽しむための基本ケア
花瓶に飾る前のチューリップの持ちをよくする基本的な手順が存在します。これらは多くの切り花に共通するケア方法ですが、チューリップ特有の大切なポイントがいくつかあります。
疲れていた日、旦那さんが花屋に連れて行ってくれた。
「一緒にチューリップを植えよう」そう言って、一つずつ違う球根を丁寧に選んだ。心が失くなりそうな程忙しい時もある。でもそんな時こそ、面倒で手がかかることが自分を癒してくれる。
春までの楽しみが出来た。 pic.twitter.com/nkJ4g8KTGI
— Saori(SEKAINOOWARI) (@saori_skow) December 24, 2018
茎の下部を再度切断
チューリップを購入し家に持ち帰る途中で茎の切り口が乾燥し、水の吸収効率が下降することがあります。したがって、花瓶に活ける前に茎の切り口を新しくカットし、水の吸収を良くすることが大切です。通常、茎を斜めに切ると水の吸収が良くなると言われていますが、チューリップは本来水を吸収しやすい特性を持っているため、垂直にカットするだけで十分です。
余分な葉の取り除き方
花束を購入すると葉が整理されていることがほとんどですが、もし葉がたくさん残っている場合は、花の上の部分に1~2枚を残して、それ以外の葉は除去する必要があります。
チューリップのように葉が簡単に取れる花もあります。
葉が豊かにあると見栄えが良いと感じるかもしれませんが、花瓶に入れた際、水面に触れる葉は水を汚す可能性があるため、注意が必要です。
花開きの速度調節法
チューリップの花は六枚の花弁から成り立ち、それらは内側と外側の二層構造です。外側の花弁が付いている根元、茎の上端近辺に針を使って微細な穴を開けることにより、開花をわずかに遅らせることが可能になります。
チューリップ用花瓶の選定のポイント
チューリップは、生長するにつれて光を追い求め、方向を変え続けるという花特有の生動感を持っています。そのため、チューリップを美しく飾りたい場合、瓶選びが重要となります。ただし、チューリップの茎は強度が高くないので、背が低い花瓶だと花の重さでくずれやすくなってしまいます。適切な花瓶を選ぶ際は、花の長さのおよそ2/3程度の高さをもつタイプを選ぶことが望ましいです。
温かい環境を控える
チューリップの寿命を延ばすには、高温の場所を避けて飾ることが重要です。室温が上昇するとチューリップの花は急速に咲き進みますが、反対に低温は開花を抑制する効果があります。最適な室温は15度から20度の範囲内であるとされています。
水の量についての注意点
チューリップは水をたくさん吸収する花の一つですが、花瓶に溜める水の量は多くしてはいけません。
理想とされるのは、およそ10センチ程度の水を花瓶に入れることで、毎日の水替えを推奨します。
しかし、チューリップが水を早めに吸収するため、水量を控え目にすると、あっという間に無くなってしまうこともあります。
ご自身ができる水替えの頻度を考慮し、水切れを起こさない程度の適量を保つことが肝心です。
水切りの必要性について
チューリップは他の多くの切花と異なり、通常は水切りが必要ありません。最初に花瓶に飾る際に茎を一度切れば済むことがほとんどです。しかし、葉に黄ばみが見られる場合は、茎を再び切る必要が出てくることもあるでしょう。さらに、茎が花瓶の高さに合わないほど長くなったときは調整のため切ることも考えられます。
本日、植物園の職員とボランティアグループのなからぎの会の皆さん約20名に協力をいただきながら、正門の正面花壇や色とりどりとなる北山門の球根ガーデン等にチューリップの球根約2万5000球を植えました。サクラとともに心躍る春の訪れをどうぞお楽しみに! pic.twitter.com/bV8xAFUY44
— 【公式】京都府立植物園 (@kyoto_botagrdns) December 11, 2024
まとめ
春を象徴する華やかなチューリップは、選び方とお手入れのコツにより長期間鮮やかさを保つことができます。花を選ぶ際には、特に「蕾」と「茎」の状態に注意して選ぶことが重要です。家に持ち帰ったら、適切な水の量を保持し、定期的に水を取り替えることが大切です。
飾る前に切り戻しをするのは基本ですが、その後は水切りを繰り返す必要はありません。もし茎が過剰に伸びたと感じた場合は、適切にカットして長さを調節してください。
また、花瓶はチューリップが三分の二程度収まるサイズを選び、高温多湿を避けることも、花持ちをよくするためのポイントです。これらの方法を実践することで、ご自宅でもチューリップの美しさを存分に楽しむことができます。