昨年植えた愛らしいチューリップ、今年もその美しさを目にすることは素晴らしいことです。どうにかして手間を省きつつ、同じ球根から再び花を咲かせたいとお考えではありませんか?幸いなことに、チューリップを植えっぱなしで育てるための便利なテクニックがあります。
今回は、そんなチューリップの植えっぱなし栽培法をお教えすることにしましょう。さらに、植えっぱなしでの栽培に適したチューリップの原種についても解説いたします。では、これから労力をそれほどかけずにチューリップを美しく咲かせるコツを見ていきましょう。
放置してもチューリップを咲かせるコツ
毎年美しいチューリップを楽しむためには、次の2つの手順が大切です。
- 夏の間、球根を休眠させる
- 秋になったら、水やりを始め、可能であれば肥料を施す
担当変更に伴い、いつもの事務所前花壇のチューリップが植え付けられなかったため、今年は昨年から植えっぱなしの球根がこんにちはしてきました🌷
咲かせっぱなし、灌水管理もなしで雑草と共存してきたチューリップは果たして咲いてくれるのでしょうか😂 pic.twitter.com/zIrlPhMEST
— (株)国華園【公式】 (@KOKKAEN_PR) March 9, 2023
夏季の球根休眠のための手入れ
夏が訪れると、球根を休ませるための適切なケアを施す必要があります。
花が咲き終わったら、まずは茎と葉を根本から切り取りましょう。
それから、夏の間快適に過ごせるよう、通風の良く涼しい場所への移動が重要です。
ただし、エアコンの直風が当たるような場所は避けてください。
例えば、出入りの多い玄関は風通しが良いので、球根を休ませるのに適しています。
最終的なポイントとして、夏場は水やりを控えることが大切です。
秋の訪れと共に水やりを再開し、できれば肥料も
水やりを開始する最適な時期は「秋」であることを覚えておきましょう。秋の到来を告げる兆候としては、周囲の木々が紅葉を始めるタイミングが目安となります。
秋が始まってから春にかけてのチューリップの世話は、基本的に前年度と変わらずに注意深く行います。とりわけ、秋から春にかけての時期は、チューリップが乾燥に敏感なため、花が枯れるまで念入りに水やりをすることが大切です。
さらに、土の表面に緩効性の肥料を適宜散布すると良いでしょう。水やりを再開するタイミングでは、チューリップを屋外に置き、冬の冷たい気候にさらすことが推奨されます。チューリップは寒さに強い植物なので、この点での心配は無用です。
手軽に魅力溢れる原種系チューリップ!推奨する5品種の特徴
原種系チューリップは、花のサイズが控えめで、低めの背丈とスッとした葉が特徴です。一般的なチューリップとは異なる容貌をしていますが、その独自の魅力が個性豊かな表情を見せてくれます。さらに、栽培も手軽で初心者にもおすすめできる品種ばかりです。ここで、そんな魅力たっぷりの原種系チューリップを5種類、詳しく紹介いたします。
植えっぱなしのチューリップが咲きました🌷
赤とか他にもあったのですが、今年はこの色しか咲きませんでした。#チューリップ
#ガーデニング pic.twitter.com/jRzAozk02n— Yumihase (@YumiHaserose55) April 3, 2023
ライラックワンダーについて
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- 花期:4月
- 草丈:10~30cm
この原種チューリップは、目を引くピンク色が特徴です。鮮やかなライラック色の大輪の花が魅力的で、原種チューリップのなかでも大きな花を咲かせる種類です。主に地植え向きで排水性の良い環境を好むものの、適切に排水管理を行えば鉢植えでも美しい花を毎年楽しむことができます。そのため多くのガーデナーから支持されている品種となっています。
チンカ
- 花期:4月
- 草丈:10~30cm
- 黄色とオレンジ色が鮮やかに混ざり合う原種のチューリップで、花弁の内側は華やかな黄色をしており、外側はオレンジ色を帯びていて、そのバイカラーのコントラストが人の目を惹きつけます。
- この鮮やかな配色は花壇に植えると一際輝きを放ち、自然に再生する性質を持っているため、年々美しい花を咲かせてくれることから多くの人に愛されている種類です。
- また、この品種は日本の気象条件にも良く適合し、特別な手間をかけずに育てられる利点があります。
レディージェーン
このチューリップは、春の訪れを告げる4月に美しく咲き誇ります。草丈は10から30センチメートルの範囲で、庭や花壇にちょうど良い大きさです。レディージェーンの特徴は、内側が純白で外側が鮮やかな赤という目を引くバイカラーの花弁にあります。この明確な対比が多くの人々に愛される所以となっています。
他にも、日差しの強さに応じてその姿を変える、開閉する花の様子は見る者に多彩な表情を楽しませてくれるでしょう。特に白を基調としたガーデンの中に、ポイントとして植えると、そのコントラストが一層際立ち、多くのガーデナーに選ばれています。
サクサティリスの特徴
サクサティリスは、ピンクと黄色が織り成すコントラストが魅力の原種系チューリップで、グラデーションが見る者を引き付けます。
- 花期は3月から4月にかけて
- 草丈は10センチメートルから25センチメートルに成長
- 花は昼間にほぼ水平に開き、夜には閉じる現象が見られる
ライラックワンダーに一見似ているものの、色合いの比率やトーンで明確な違いが認められます。その愛らしい表情は多くの人々を魅了することでしょう。
リニフォリアの魅力
春の訪れを彩るリニフォリアは、その鮮やかな赤色で多くの人々を魅了します。花の中心が黒く、赤い花びらと絶妙にマッチしており、独特な美しさを放ちます。草丈は概ね15~20センチと小柄で、庭の小スペースやロックガーデンでのアクセントとしても最適です。寄せ植えには、同じ春先に花を咲かせるビオラと組み合わせることで、より一層の春らしさを楽しむことができます。
- 花期:3月~4月
- 草丈:15~20センチ
チューリップの植えっぱなし栽培に関するまとめ
植えっぱなしでのチューリップ栽培における管理方法と推奨される品種についてご紹介しました。栽培のコツとしては、夏の暑い時期は水を控え、夏越しに備える工夫が重要です。水やりは秋になってから再開することがポイントです。
植えっぱなし栽培に適したチューリップ品種には、原種系チューリップがお勧めです。一般的なチューリップとは異なる、独特の魅力を持つ品種が多くあります。個性的な原種系のチューリップを選んで、ご自宅での栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。
これらのポイントを抑えて、植えっぱなしチューリップ栽培にチャレンジしてみましょう。