初詣で神社に訪れた際に捧げるお賽銭は、古来よりさまざまな思いが込められています。お賽銭の金額は参拝者により様々ですが、一般的にどれほどの額が適当なのでしょうか。金額についての語呂合わせなど、縁起を担ぐ考え方に基づいた選び方もあり、実際のところ選択に迷う方も少なくありません。
お賽銭の金額と縁起の良し悪し
お賽銭における適切な金額については、具体的なルールは存在しませんが、縁起を担ぐ金額を選ばれることが多いです。逆に、縁起が悪いとされる金額もあり、それらを避けるよう心がける人もいます。ここでは、お賽銭に関する背景知識と、縁起の良い金額や避けるべき金額について解説しましょう。
お賽銭の真意とは何か
お賽銭には、一体どのような意義が込められているのでしょうか。
お賽銭の本来の意味
一部の人々は、お賽銭を神様に願いを叶えてもらうための代金と位置づけることもあるかもしれませんが、その理解には誤りがあります。
実際には、お賽銭は願い事が成就した後の感謝の気持ちや、日々の生活の中での謝意を神聖なるものに捧げる行為です。
「賽」という文字には、神聖なる存在に対して感謝の意を表して参拝するという含みが込められているのです。
また、お賽銭には、金銭が不浄や災禍を吸い取る力があるとも云われ、この行為によって我々自身の身を浄化するという側面も指摘されています。
さらに言えば、賽銭箱に対して硬貨を投じる際の音には、罪や穢れを払う効果があると考える説も存在します。
お賽銭の起源について
お賽銭という慣習は、始めに神々に対し、お米をまく「散米」という形式や、清めた米を白い紙で包み奉る「おひねり」として奉納されていたものです。
後に、中世時代に入り流通貨幣が広まり参拝者も増えてきたことにより、米ではなくお金を捧げる形に変化しました。
お賽銭はいくらが適切か
お賽銭の金額に関して特定の規定は存在しません。お供えする際は、その場で心から感じる適切な額を用意するのが良いでしょう。また、願いごとの大きさに応じた金額を捧げるという考えもあります。
- 大規模な願いには相当する資金を
- 規模が小さい願いにはそれに見合った金額を
神様への謝意や御礼は、金額の多寡ではなく、どれだけの誠意をもってお供えするかが最も大切です。
お賽銭、そのときある一番でかい硬貨にしてる
— 九頭見べこ (@mamad0r) January 2, 2025
お賽銭の縁起の良い金額と悪い金額は?
お賽銭を奉納する際には、「ご縁がありますように」と願いながら5円玉を捧げる風習があります。さまざまな金額には独特な言い伝えがあり、縁起を担ぐ文化が存在します。どの額が幸運をもたらし、不吉な額はどれか、詳しく見ていきましょう。
- 5円:「ご縁がありますように」
- 10円(5円2枚):「重ね重ねご縁がありますように」
- 15円:「十分ご縁がありますように」
- 20円(5円4枚):「よいご縁がありますように」
- 25円:「二重にご縁がありますように」
- 35円:「再三ご縁がありますように」
- 40円(5円8枚):「末広がりにご縁がありますように」
- 45円:「始終ご縁がありますように」
- 50円:「五重の縁がありますように」
- 55円:「いつでもご縁がありますように」
- 105円:「十分にご縁がありますように」
- 115円:「いいご縁がありますように」
- 125円:「十二分にご縁がありますように」
その上で、1万円は円満な人間関係を象徴するとされ、21円や31円は割り切れない金額であることから、恋の成就や家庭円満を願う意味合いがあります。
穴のある硬貨、例えば5円や50円は縁起が良いとされており、これには複数の説があります。縁を象徴するとも、五重の縁を意味するとも、穴を通して見える未来が明るいことを示すとも言われています。しかし、穴のない硬貨を用いても問題はありません。
お賽銭における避けたい金額とは?
お賽銭として避けるべき金額には、語呂から連想される縁起の悪いものが存在します。ここでいくつかの例を挙げます。
- 65円:「六なご縁が無い」と聞こえ、好ましくないとされます。
- 75円:「なご縁が無い」との不吉な響きがあります。
- 85円:「やはりご縁が無い」との意味を持ち、縁起が悪いと言われています。
- 95円:「これでもご縁が無い」との否定的な意味合いが込められています。
- 500円:「これ以上効果が無い」と聞こえ、望ましくないとされています。
- 10円に関しては、「遠縁」と聞こえることから、遠縁を思わせるため避ける人も多いです。
これらの金額は、神社仏閣へのお賽銭としては不適切とされていますので、縁起を担ぐ場合には特に注意しましょう。
「 5円を入れておけばいいのかな〜 」と思ってたけど、じつはお賽銭には「 縁起が良い 」ものと「 縁起が良くない 」ものがあります。どうせなら、縁起が良いお賽銭を入れたいですよね。でも、出雲大社のホームページを見ると… pic.twitter.com/MydRz6kOw3
— てっぺい (@teppei_free) December 31, 2024
後書き
賽銭の意義や適切な額に関する情報をお伝えしました。
神様にお納めする際の紙幣は、白色の袋に納めて献上するのが良いでしょう。
賽銭箱に納めるときは、投げ入れることは避け、慎重にお納めすることが善しとされています。
初詣の際の社殿の混雑具合にもよりますが、心を込めたお供えとなるよう心がけましょう。