大山咋神は、豊かな自然を司る自然神であり、日本古来の神話に名を連ねます。山の霊峰を守護し、農業の繁栄をもたらす存在として讃えられています。その名前は、「山を杭で固める」という意味を持ち、山や大地の保護者であることを物語っています。
この神は、神々の家系において重要な位置を占めており、類似する名前をもつ大山祇神とは異なる特徴を持つ存在です。系図については、本稿で詳細に分析していきます。
全国各地にその名を冠する神社が点在し、多くの信者や参拝者によって敬うされてきた大山咋神。これらの神社は、風光明媚な自然に囲まれ、訪れる者に心の安らぎを提供します。
大山咋神には様々なご利益があり、特に土地と農作物の守護に関する願いが叶えられると信じられています。記事では、これらのご利益に関する詳細を解説し、参拝時の心得や祈り方についても触れます。
大山祇神の系譜
大山祇神（おおやまくいのかみ）とは、豊穣などを司る大歳神（おおとしのかみ）を父に持ち、天智香流弥豆毘売（あまちからみずびめ）を母に持つとされる神様です。
大歳神は穀物の成長や収穫を見守る神様として広く信仰されており、その息子である大山祇神もまた、山の神として、また農耕の神として崇拝されています。
今朝、御本宮での相殿祭に引き続き、白峰神社にて「白峰神社例祭」を斎行いたしました。白峰神社の御祭神は崇徳天皇です。相殿には、御母である待賢門院と、山の神として信仰されている大山祇神の二柱をお祀りしています。また、随神として源爲義と源爲朝の木像を安置しています。 pic.twitter.com/Gebg4CUM8M
— 金刀比羅宮 (@kotohiranomiya) August 26, 2023
さらに、大山祇神は賀茂別雷命（かもわけいかずちのみこと）、別名、賀茂建角身命（かもたけつぬみのみこと）と同一視されることもしばしばあります。
このことから、京都にある上賀茂神社及び下鴨神社とは深い関係があると考えられているのです。
大山咋神と大山祇神の明確な相違点
日本神話における山の神々である大山咋神と大山祇神は、名称が漢字で似通っているため、しばしば同一視されがちです。しかしながら、これらは別々の存在で、それぞれの神が持つ役割や神話上の背景には顕著な差異が存在しています。
大山咋神
大年神の子として知られる大山咋神は、松尾神社や比叡山、日吉大社に祀られている山の守護神であります。地元の土地や農業の守り手として、その繁栄と発展を見守る神様として広範囲にわたって崇敬されています。
大山祇神について
イザナギとイザナミの間に生まれた神で、山々を統べる最高神とされる大山祇神。特に自然の保護者としての側面が際立ち、瀬戸内海に浮かぶ大三島に鎮座する大山祇神社において厚く信仰されています。一方、大山咋神は特定の土地や地方の山々を護る神様であり、その神格は地元に根差している点が特徴的です。
大山祇神社（おおやまつみじんじゃ）皇大神宮所管社
大山祇神（おおやまつみのかみ）祭神は神路山の入り口にます山の守り神、大山祇神（おおやまつみのかみ）。
古くはこの社の前で式年遷宮の初祭である山口祭が奉仕されていた。
写真奥の神社は子安神社である。 pic.twitter.com/96z7KkDDoa— 伊勢神宮125社 (@isejingu125) February 12, 2024
大山咋神のご利益一覧表
| 土地や山の守護 | 地域の山岳や土地を守護し、自然災害から守るご利益。 |
|---|---|
| 農業・収穫の繁栄 | 農業の発展や豊作、収穫に関連する祈願に効果があるとされる。 |
| 厄除け・家内安全 | 災厄を取り除き、家庭の平穏や安全を守るご利益。 |
| 商売繁盛 | 商業や事業の成功を支援するご利益。 特に商人や事業主に信仰される。 |
| 縁結び | 良縁を結び、調和の取れた人間関係を築くご利益。 |
| 交通安全 | 比叡山信仰を通じて、旅や移動の安全を守るご利益。 |
| 生命力・再生 | 山岳神としての性格から、生命の活力や自然の循環を促す力があると信じられている。 |
大山祇神を祀る神社
大山祇神は、京都にある松尾大社や滋賀県の日吉大社で祀られている神様です。
まとめ
大山咋神は、山岳や土地を守護する神として日本各地で信仰されており、上賀茂神社・下鴨神社と共に京都で最古の神社と言われる松尾大社や、比叡山のふもとの日吉大社をはじめ、全国の松尾神社、日枝神社でその存在感を発揮しています。
農業や収穫、厄除け、縁結びといった幅広いご利益をもたらす大山咋神は、地域社会や現代人の生活にも大きな影響を与える重要な神です。
