私たちが普段よく目にする鰹節は、ふりかけ用の細かな粉末状に加工されたものが一般的であります。
これに対し、高級な料亭では客の注文に応じて鰹節をその場で削る手法を取り入れており、そのようにして使用された鰹節は格別な味わいを持つことで知られています。
そうした背景から、家庭でも挑戦したいと考える人々が少なくないでしょう。
しかし、家庭で鰹節を削ろうと試みる際には、予想外の硬さに圧倒されることが少なくありません。
そこでこの度は、鰹節をやわらかくし、削りやすくする技術と、削らずに使用するための方法を紹介いたします。
かつお節の硬さの秘密
かつお節が硬い理由は、高品質なカビ菌に由来しています。カビを聞くと一概に否定的なイメージを持つこともあるでしょうが、かつお節に利用されるカビは食品専用のものです。
このカビを活用した発酵過程を経ることにより、かつお節はその硬さを増していくのです。湿気を好むカビの性質を逆手に取り、水分を極限まで排出することで、非常に硬い状態の食品が生まれます。
この一連の過程が、かつお節の深い味わいと旨味を引き出す鍵ともなっているのです。
今日の俺は鰹節削るマンだ pic.twitter.com/O0knnd3wD0
— よこ (@tainao111) September 7, 2024
かつお節を柔らかくするコツ
乾燥し過ぎたかつお節は、削る際に粉末になりやすいですが、柔らかく戻す方法が何通りか存在します。
加熱方法
削る面を直接火に触れさせないで加熱してください。削り作業の最中に鰹節が硬さを取り戻したと感じたら、同様の手順を再度行うと効果的です。
湿らせる方法
乾いた布を用いて、削りたい箇所に少量の水を含ませ、数分放置することで削り取る作業が容易になります。
電子レンジによる調理法
削る予定の部分に少し水を振りかけ、ラップをかけてから電子レンジで20秒間温めましょう。
充分に柔らかくなっていない場合は、さらに10〜20秒加熱をしてください。
但し、加熱したらすぐに削ることが望ましいです。長く放っておくと、再び固まってしまうことがあるから注意してください。
かつお節の代わりに使用する際の参考情報は、下記に記しています。
鰹節を削る以外の使用法
鰹節の塊を直接使用することは珍しいことですが、削らずに利用する方法が実際に存在します。削るための専用道具が手元にない場合でも、包丁を活用して鰹節を厚削りや荒削りにすることが可能です。
最初に、鰹節の塊を圧力鍋で蒸し、柔らかくします。次に、表皮を取り除いた後、スライスして使用します。このようにして得た厚削りの鰹節は、そのまま煮出して、濃厚な出汁を取り出すことができます。
悪魔のおにぎり。
麺つゆもお手軽で美味しいけど、鰹節削るスキルあるから鰹節と醤油で。
本枯節常備してる一般家庭はどれくらいの希少種なのか?
ガス炊飯器よりも少ない気がする。
本枯節もあと何年手軽に入手できるかな?#本枯節#鰹節#悪魔のおにぎり#鰹節削り器 pic.twitter.com/SdZYmTQY5o— 神戸人けんちゃん (@gMENuRmbjcG3bND) November 3, 2024
包丁で粗削りにする詳細なレシピ
こちらでは、包丁を使った粗削りの作り方を詳しく解説いたします。
材料(2〜3人前)
- 鰹節の塊:1個
- 水:500ミリリットル
使用する道具一覧
- 包丁
- 圧力鍋、もしくは通常の鍋
- こし布、または細目のざる
手順
- カツオ節の下処理: カツオ節の塊を圧力鍋に入れて、少し蒸してから柔らかくします。圧力鍋をお持ちでない場合は、通常の鍋を使い、沸騰した水で約5分間蒸してください。
- 粗削りする: 蒸した後のカツオ節を約1センチメートル幅にスライスします。表面が硬い場合は、先に表皮を取り除くことで作業がしやすくなります。
- 出汁をとる: 鍋に500ミリリットルの水を入れて加熱し、切ったカツオ節を投入します。沸騰寸前に火から下ろし、5分間放置することで出汁を抽出してください。
- こし取る: 適切な出汁が抽出されたら、漉し布や細かい目のざるを使って濾します。
コツ・ポイント
鰹節は加熱しすぎると旨味が飛びやすいので、沸騰直前で火を止めるのがポイントです。
出汁は煮出しすぎると苦味が出ることがあるので、様子を見ながら早めに火から下ろすことをおすすめします。
利用方法
こちらの出汁は、味噌汁やうどん、そばのつゆに最適です。
煮物やおでんの調味にも活用でき、食材の味わいをより一層深めてくれます。
手軽にプロのような出汁の味を再現するコツを覚え、日常のお料理に取り入れていただけると嬉しいです。
鰹節の適切な保存法
鰹節は保存状態によっては乾燥し、粉末状になってしまうことがあります。使用後は適切な保存方法を心がけることが大切です。
保存する時は、まず鰹節をラップで包み込むことが肝心です。これにより鰹節の湿度を保つことができます。包んだ鰹節はさらに密閉性の高い保存袋に入れることが望ましいです。
また、保存場所としては室温ではなく、冷蔵庫が推奨されています。これにより、品質を維持しながら長期間保管することが可能になります。
鰹節の自家製削りと保存のコツ
ご家庭で鰹節を削ることは、その新鮮な風味を存分に味わう素晴らしい方法です。しかし、使い切らずに残した場合、時間が経過するにつれ鰹節は硬化してしまうのが難点です。
もし鰹節が硬くなってしまったら、先に紹介した方法で柔らかさを取り戻すことができます。柔軟性を回復させ、美味しい鰹節を楽しむためにも、これらの方法をお試しください。