とんかつ作りで「筋切りは本当に必要か?」と考えた経験はありますか?実は筋切りは、ただの準備作業ではなく、お肉をやわらかくし、見た目と味わいを良くするとても重要な作業です。
この記事では、「とんかつを作る際に筋切りをする理由」について詳しく説明します。筋切りが持つ効果や、筋切りせずにも美味しいとんかつ作りのコツ、筋切り道具の使い方など、様々な点からご紹介します。
筋切りの有無がとんかつの仕上がりにどのように影響するかを知りたい方は、最後までこの記事をごらんください。
とんかつの筋切りが大切な理由
とんかつを調理する時、なぜ筋切りをするのでしょうか。筋切りは、ただ筋を切るだけでなく、お肉の美味しさや食感に大きく関わる工程です。具体的な目的とその効果について詳しくご紹介しましょう。
① 筋切りでお肉を柔らかくするための大切な理由
筋切りは、お肉を柔らかく仕上げる方法です。豚ロースには筋や繊維が多くあり、熱を加えると硬くなりがちです。筋切りをすることによって、この硬さを防ぎ、お肉がふっくらとやわらかくなります。さらに食感にも影響しており、筋がそのままだと噛みにくくなり、とんかつがサクッとした食感を失います。美味しさを十分に楽しむためには、筋切りが非常に重要なのです。
② お肉の形を美しく保つ!筋切りがとんかつの見た目に与える影響
筋切りをする理由のひとつに、揚げた際の見た目の美しさがあります。もし筋がそのままだと、調理する過程で肉の部分が縮んでしまい、とんかつの形が歪むことがあります。筋切りによって筋の収縮を抑制することで、肉全体が均等な厚みで揚げられ、見た目も美しいとんかつになります。見た目が整っていると、揚げるときに衣も肉によくくっつき、プロのような仕上がりになることができます。均等な厚みの肉は熱の通りも良く、サクサクの衣と柔らかい肉の絶妙なコントラストを楽しむことができます。
③ 筋切りで旨みを逃さない!ジューシーなとんかつを作るコツ
肉の筋を切ることは、柔らかさだけではなく、ジューシーな旨みを保つためにも重要です。筋が狭まると肉全体が引き締まり、肉汁が流れ出てしまいがちで、食感が乾燥しがちです。筋切りによって筋の縮小を防ぐことで、肉汁を肉の中にしっかりと閉じ込め、揚げたときに旨みが逃げないようにすることができます。さらに、筋切りをすると油の吸収が均一になり、肉が不要に多くの油を吸うことなく、ふっくらと美味しく仕上がります。ジューシーで美味しいとんかつを目指す場合、筋切りは肉の本来の味を活かし、満足感を高めるために大切な作業です。
筋切りで変わる!とんかつの調理法と食感のポイント
筋切りは、お肉の硬さや見た目だけでなく、衣の付き方や焼き加減にも影響します。美味しいとんかつのために筋切りをすることで、仕上がりがどのように変わるのかを見ていきましょう。
① 衣が剥がれるのを防ぐ!筋切りがもたらす揚げたときの仕上がりの違い
とんかつの魅力は、サクサクの衣とふっくらとしたお肉の食感ですが、筋切りをしないとこの衣が剥がれやすくなることがあります。筋が残っているお肉は、加熱時に縮むことで表面が反り返り、衣とお肉の間に隙間ができてしまうのです。その結果、揚げている最中に衣が剥がれてしまい、食感も味も損なわれることになります。
てなわけで すぐに料理 (私作)
・とんかつ
・春巻き(揚げるだけの簡単なやつ)
・ちくわの磯辺揚げ
など
とんかつかトンテキか迷ったけど、色々弁当のおかずができるから揚げ物に
お肉が良かったからか いつもより美味✨
筋切りが足らなかったのかちょっと反ったけど…w
ごっそさんでした♪ pic.twitter.com/tTR1DzzsCa— はたーん / Haturn (@haturn_shs) March 8, 2023
筋切りをしておくと、お肉が縮まないため、衣が均一に付いてしっかりとお肉に密着します。これにより、揚げたときに衣が剥がれることなくサクサクの食感が楽しめるだけでなく、余分な油が吸われることも少なくなり、カリッとした仕上がりになります。
② 焼き縮み防止のための筋切り効果!お肉の柔らかさをキープする理由
筋が残ったまま調理すると、お肉の表面が縮みやすくなり、形が崩れるだけでなく、硬くなることがあるのが問題です。特にとんかつの場合、揚げている間にお肉の筋が収縮して、厚さが不均一になり、部分的に硬さが増すことがあります。
筋切りを事前に行っておくと、筋の収縮を減らすことができ、焼き縮みを防ぐ効果があります。これにより、お肉全体に均一に火が通り、柔らかくて食べやすいとんかつに仕上がります。焼き縮みがないおかげで、お肉の厚みも均一に保たれ、見た目もふっくらと美しいとんかつが出来上がるのです。
③ 下味がしっかり染み込むために!筋切りが調味料の浸透に与える影響
肉に下味をしっかりと染み込ませるためには、筋切りが大切な役割を持っています。
筋切りを添加すると、肉に切れ目が生まれ、調味料や事前の準備で使用する液体が筋目を通じて肉の内部に浸透しやすくなります。
肉に下味を施すことで、味わいに深みが増し、揚げ物をする際にもその美味しさがしっかりと伝わるのです。
塩や胡椒といったシンプルな下味だけではなく、にんにくやハーブを使った香り高い味付けをする場合にも、筋切りをすることでそれらの味が肉にしっかり染み込みます。
筋切りを活用することで、調味料の染み込みが良くなり、香り豊かなとんかつが完成するのです。
筋切りせずに美味しいとんかつを作るコツ
筋切りをせずにとんかつを作るのは、工夫によって可能です。以下では、筋切り無しでも美味しいとんかつを作るための方法をご紹介します。
① 筋切りが不要な場合と工夫すべきポイント
使用するお肉の種類や部位によっては、筋切りをせずとも美味しいとんかつが完成します。特に筋の少ないヒレ肉は本来柔らかく、筋切りが不要です。加えて、薄切りのロースや脂身が多く筋が柔らかい部位であれば、筋切りをせずに調理してもかたさが気にならないでしょう。
また、揚げる代わりにソテーする、焼くなどの他の調理法を選べば、筋が収縮しにくく形が保たれやすいため、筋切りをしない方が好ましい場合もあります。筋切りを避けたいときは、これらの部位選びや調理方法に注意を払うことで、筋切り不要で美味しいとんかつを提供することが可能です。
② 筋切りなしで美味しく仕上げるコツ!漬け込みや下ごしらえの工夫
筋切りをしないでとんかつを柔らかくしたい時は、下ごしらえで肉の柔らかさを引き出す工夫が必要です。
特に効果的なのが、調味料や液体に漬け込むこと。
例えば、塩麹やヨーグルト、すりおろした玉ねぎに肉を漬けると、酵素の働きで肉が柔らかくなり、筋切りなしでもふっくらとした仕上がりになります。
また、パン粉をつける前に小麦粉と卵をしっかり馴染ませることで、肉と衣の密着が良くなり、筋切りをしなくても形が整いやすくなります。
下ごしらえで肉をほぐすようにマッサージするのも、肉の繊維がほぐれて柔らかくなるのでおすすめです。
③ 筋切り器の便利な使い方と代用!フォークや包丁を使った代替テクニック
筋切り器がない場合は、フォークや包丁での筋切りが代用として使えます。
フォークの場合は、肉全体に穴を開けるように刺していくと、筋が断ち切られて調理中に縮みにくくなります。
豚肉が安かったので、とんかつ作成の仕込み。
筋切りしてフォークで穴を空ける技はレストラン勤務時に使っていたものですね。 pic.twitter.com/Z3QCv0vPqE— クロイス@趣味垢 (@cro_black) November 9, 2023
特に時間がない時や手早く筋切りしたい時には、フォークを使った筋切りが手軽で便利です。
包丁の場合は、肉の筋がある部分に対して垂直に浅く切れ目を入れていくのがポイントです。
深く切りすぎないように注意しながら、細かく切れ目を入れていくことで筋が引き締まりにくくなり、焼いた時や揚げた時の形が崩れません。
筋切り器のような専門道具がなくても、こうした代用方法で筋切りを行えば、肉の柔らかさや仕上がりをしっかりキープできます。
とんかつの筋切りの利点
とんかつの筋を切ることには、いくつかの良い効果があります。まず、肉が柔らかくなり、形がきれいに整い、味の良さも保たれます。
筋を切ることで、調理中の縮まりを防止し、肉が固くなるのも避けられます。すると、とんかつの衣がキレイに肉に密着し、見た目も良く仕上がります。
筋切りをしない場合でも、肉の選び方や下処理、あるいは漬け込む際のコツによって、美味しいとんかつにすることができます。
筋切り器を使うと、簡単に均等な筋切りが実現し、柔らかいとんかつをつくることができますが、フォークや包丁でも代わりになりますので、状況によって使い分けると良いでしょう。
筋切りするかどうかで、とんかつの出来栄えには大きな差が出ます。今回ご紹介したポイントを活かして、自分が好むとんかつをぜひ作ってみてください。