SNS上では様々なトピックが日々盛り上がっています。しかし、そうした盛り上がりに対し、攻撃的な言動を向けるのは決して容認されません。ただし、攻撃的ではない反応であっても、敏感な話題にすぐ飛びつかないという慎重さは重要です。
「これは問題がある」などの意見表明は、確かに人を非難するものではありませんし、話を持ち出すこと自体が厳密には問題行為には当たりません。しかし、SNSで話題になっている出来事は、場合によっては誤った情報が含まれていることもあるため、基本的にはいわゆる「炎上」に巻き込まれないことが賢明です。その理由と、冷静な判断がなぜ必要なのかを含め、以下で詳しく説明いたします。
「炎上」は自然な炎と人工的な炎がある
ネット上で目にする「炎上」という現象には、自然発生的なものと人為的に作られたものの二種類が存在しています。自然な炎上とは、純粋に不適切な発言や行動が原因で、真に批判されるべき事態を指します。一方で、人工的な炎上は、そもそも存在しない出来事をSNSに流布させ意図的に炎上させるケースや、本来大きな問題ではないはずの話題を第三者が誤解や曲解を通じて炎上するように仕向けるケースを含みます。
ネット上の炎上には実際に問題がある「正当な炎上」と、そうではない「捏造された炎上」の両方が存在することを知っておく必要があります。これらのわなに一々かかってしまうと、非効率に時間や労力を浪費することになります。
したがって、ネット上で炎上現象を目撃したとしても、安易に影響を受けないことが重要です。ネットに満ちる数々の「炎上」情報に左右されないためにも、以下の点に注意しておくべきでしょう。
炎上話題の「真偽」についての不透明さ
インターネット上で話題になっている炎上案件は、その真偽が明らかでないものが多く存在します。確かに、中には実際にあった事実に基づいている話題もあるでしょう。一方で、「嘘」や存在しない話題を炎上させる事例も散見されます。
例えば、事実と異なる内容をあたかも実際に起こったかのようにSNSで投稿して炎上させたり、LINEのトーク履歴や受信したSNSのダイレクトメッセージのスクリーンショットが公開されることもありますが、これらは演出された可能性も排除できません。
トーク画面やメッセージの交換を再現できるアプリケーションが存在するため、また複数のアカウントを使って「素材」を自作することも容易です。さらに、第三者の話題を無断でコピーし、それをまるで自身の体験であるかのようにSNSに投稿し炎上させる事例もあります。
炎上している話題が実際に起きた出来事に基づいているのかどうかは不明なケースが多いため、注意が必要です。特に「著名人」による不適切な発言による炎上とは異なり、「特定できない個人」のアカウントが関わる炎上においては、その真偽を見極めることは困難です。
トラブルを避けるためには、真偽の不確かな情報に対して安易に反応せず、基本的には関与しないという慎重な対応を推奨します。
「炎上」を狙う意図的な行為
SNS上には、「炎上」を目的として意図的に行動する人々が存在します。これらの人物は、実際に起こった話を大げさに語ったり、まったくの作り話を展開したり、他人の投稿を模倣する場合があります。
炎上を引き起こすために攻撃的な言葉を選んだり、一般には奇異とされる考えを公言することもあります。こうした行動をとる理由は人によって異なりますが、大半は「注目を集めたい」からにほかなりません。
炎上すると、良否を問わず大勢の人が集まるため、閲覧数が飛躍的に増加します。否定的な反応が多くても、インプレッション数の増加や、フォロワー数の増加（興味本位の人々が多いですが）が見込めるのです。
要は、「注目を集めるため」に世間で非難されがちな発言を意図的にしたり、存在しない出来事をでっち上げたりする人たちがいるというわけです。こうした手法は「炎上商法」と呼ばれることもあります。
こうした炎上を真剣に受け止めても無益であり、コメントや反応をしようものなら、相手の利益につながってしまいます。そのため、「一切、相手にしない」というのが鉄則です。
些細な内容でのネット炎上について
インターネット上で発生する炎上事件の中には、思わず「え？」と首をかしげてしまうほど大した内容ではないものである場合があります。それにもかかわらず、無意識のうちに批評や騒動に参加することは他人の影響を受けているに過ぎず、時間の浪費だけでなく、予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクを高めてしまいます。冷静さを保って状況を見極めることが大切です。
実際、インターネット上で炎上している話題が、社会一般の基準から見て批判されるべき要素がほとんどないにもかかわらず、悪意をもって騒ぎ立てる人々によって火がつけられることもあるのです。したがって、何かが炎上している場面に遭遇したとしても、すぐさまその流れに飛び込むのではなく、「何が炎上しているのか」を正確に把握し、分からないながらもただ流行に便乗するような行動は絶対に避けるよう心掛けましょう。
「わざと」のケースには悪質なものも
炎上を意図的に引き起こす投稿には、さまざまな動機が存在します。中には訪問者数を増やすため、あるいは注目を集めるための手段として、炎上を誘発しているものもあります。さらに悪質な事例として、話題を振り上げた上で、「誹謗中傷だ！」とトラブルを引き起こすような手法も散見されます。
炎上を煽る行為自体が理由で誹謗中傷に該当することは間違いなく不適切ですが、そのような意図を持って初めから炎上を計画する者は、世間一般では誹謗中傷とは見なされないような内容（たとえば礼儀正しい指摘など）でさえ、誹謗中傷とみなされるような事態を巧みに操ることがあります。
無論、誹謗中傷は炎上しているか否かにかかわらず許されるべきではありません。意図的に炎上を引き起こす者が昨今ますます増えており、そうした人々と関わらないことが、結果として自己の安全を守る行動となりますので、この点はしっかりと頭に留めておくべきでしょう。
見知らぬ人が巻き起こす炎上に巻き込まれないためには、そもそもそうした話題に一切関わらないことが、不要なトラブルを避ける秘訣です。
ネット炎上を賢くかわすコツ
インターネットで巻き起こる炎上は「冷静に判断」することが重要です。最近では故意に炎上を引き起こす事例や、虚偽の情報で騒動を生むケースなど、悪意のあるアカウントが増加傾向にあります。事実かどうかさえも見分けがつきにくい現状で、他人の炎上騒動に関わることは何のメリットももたらしませんので、「無視する」ことが最善の対応策と言えるでしょう。
