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手軽に育てられる果樹8選【庭植え・鉢植え】|多忙な方でも楽々栽培

多くの人が「自宅の庭に果物を植えたら、新鮮な果実が年ごとに収穫できて素晴らしいだろう」と夢見ているかもしれません。

ですが、果物を地面に植えるだけでは、実をつけるまで至らないことがしばしばです。果樹も生物であるため、適切な手入れが必要なのです。まるで子供のように世話をやく必要があるわけです。

ただし、手間がほとんどかからないで済む「ほったらかし果樹」というのも存在するんですよ。これなら、日々忙しく働く皆さんや、家庭生活や子育てに追われている方でも楽に取り組むことができるかもしれません。

それでは、手間が少なくて済むおすすめのほったらかし果樹を、庭に植えるタイプと鉢植えタイプに分けて、それぞれ四つずつ紹介していきましょう。

「果物を育てるのは面倒そう」と感じて手を出せずにいた方も、この機会に是非読んでみてください。

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放任しても大丈夫な果樹選びの3つの要素

手間をかけずに育てられる果樹を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントが3つあります。

  • 自然に受粉する植物を選ぶ
  • 地下茎に依存しない植物を求める
  • 低木種を選定する

第一に、自然受粉が可能で人の手を借りずに実をつける植物が望ましいです。

次に、繁殖を地下茎に頼らない種類のものが良いでしょう。

最後に、扱いやすい低木種の果樹がおすすめです。

これらの用語に馴染みがない場合もあるかもしれませんが、1つ1つ具体的な情報をお伝えしていくことで理解を深めていただければと思います。

ポイント①:人工授粉の必要なし

受粉とは、花粉が雌しべに達するプロセスを言います。

果樹における受粉には、自然に行われるものと人間によって補助されるものの二通りあります。

自然受粉は、風や蜜蜂などの虫が花粉の移動を担ってくれるので、我々が手を出さなくても勝手に完了します。

対して、人工授粉は人が直接介入して行う方法で、雄花を摘んで雌花に触れさせたり、花粉を綿棒で取るなどします。

手間を掛けずに済む自然受粉が可能な果樹を選ぶのであれば、放置していても自動的に完了し、育てやすいでしょう。

風や蜜蜂が代理で受粉の一役を買ってくれて、面倒な手間を省けます。

ポイント②:地中に根を伸ばす茎は避けましょう

我々がよく知る植物の茎は空中にのびるものですが、地下で伸びている茎も存在しており、これを地下茎と称します。竹やクローバーなどはこの地下茎を利用して成長します。特徴的なのは、地下茎を持つ植物は繁殖力が非常に強いという点です。

例えば、クローバーを庭に植えたらあっという間に増えてしまって困った、なんて経験をした人もいるかもしれませんね。竹も似たような状況で、山で手に余るほどに広がり竹林になってしまうこともあります。家の庭にこのような地下茎のある植物を植えると、あっという間に繁殖してしまい、最悪の場合は隣家にまで広がる可能性があります。

管理が楽な果樹を選ぶ際には、地下茎ではない種類を選ぶことが大切です。

ポイント③:低木果樹の選択

果樹の世界には、天を衝くように成長するものから、こじんまりと育つものまでさまざまです。注目すべきは、手間をかけずに栽培可能な低木タイプの果樹。これらは、成長してもそれほど背が高くならず、広範囲に影響を及ぼす心配が少ないためです。

一方で高木に分類される果樹は、放置しておくことで10メートル、20メートルと驚異的な高さになる場合もありえます。もしもそんな木がご自宅の庭に根を下ろしていたら、隣家に迷惑をかけることも考えられます。

さらに、高木は剪定などのメンテナンスが大変になるだけでなく、実った果実を収穫する際には脚立が必要になるなど、手間が増大します。これらの理由から、低木を選ぶことは、管理が楽な果樹を見つける上で欠かせない要素といえるでしょう。

しかしながら、適した果樹を選びたいと考えても、数多くの種類が存在するため、どれを選定すべきか迷ってしまう方も少なくありません。そこで次に、これまでのポイントを網羅した、おすすめの手軽に育てられる果樹を4種類厳選してご紹介します。

おすすめのほったらかし果樹4選

 

おすすめ果樹①:ブルーベリー

初めて果樹の育成に挑戦される方にも人気の高いブルーベリー。この植物は低木で、栽培に手間がほとんどかかりません。植えた後は、ほぼ収穫時期を待つだけの簡単管理で済みます。また、たとえ成長したブルーベリーの木であっても、高さは最も高い種類で約2メートル程度に収まるため、木の高さで困ることはありません。春には愛らしい白花を咲かせ、夏には甘い実を実らせ、秋には美しい紅葉で目を楽しませてくれます。個人的な見解ですが、管理が楽な果樹として最適だと感じています。

おすすめ果樹②:ニワウメ

ニワウメは、低木タイプの果樹であり、育成にかかる労力がほぼ不要です。年に一度くらいの手間で済み、主に収穫の際に少し手を加える程度。もちろん、人の手を借りず自然に授粉が行われるため、そちらの心配もいりません。

さらに、成長しても標準的な男性よりわずかに低い1.8メートル程度の高さにしかならず、手入れが大変だということもありません。春になると、小さなピンク色の花を咲かせることも魅力の一つ。実を収穫するだけでなく、観賞用としてもその美しさを楽しむことができるでしょう。

実は、梅に似ており、梅酒や梅酢、ジャムなどに加工することが可能です。生食することもでき、甘酸っぱい味わいを楽しめますが、品種によっては酸味が強かったり、若干の渋みがある場合もあります。

病気や害虫への耐性も高いため、果樹栽培が初めての方にも非常に育てやすい果樹と言えるでしょう。

おすすめ果樹③グミ

鮮やかな赤色と楕円形で親しまれるグミの実。『小さな頃に口にした記憶があるかも!』と感じる人も少なくないでしょう。このグミの木も、管理が手軽な果樹の一つとして推奨されます。栽培に関わる手間は最小限で、木の高さも比較的低く抑えられるため、年間を通じて面倒を見ることがあまり必要ありません。

特に、ビックリグミと呼ばれる品種は、渋みが控えめで甘さが際立っており、非常に食べやすいのが特徴です。対照的に、一般的な品種は渋味が存在し、それがジャム作りなどの加工食品に適しています。昔懐かしいあの味をもう一度味わいたいという方は、グミの栽培に挑戦してみるといいでしょう。

おすすめ果樹④スグリ

一般的にスグリとも称されるグースベリーは、樹高が1メートルから1.5メートル程度と手ごろな大きさで、管理しやすい特徴を持っています。過度に成長することなく、自家受精能力もあるため、面倒な手入れをしなくても実をつける手間要らずの果樹です。ただし、乾燥には弱いため、直射日光を避ける場所での植栽が必要になります。適切な場所に植えさえすれば、グースベリーは放置でもしっかり育つ優れた植物です。

簡単栽培果樹の選択基準を再確認すると、以下の通りです:

  • 自分で受粉の必要がない
  • 地下茎を持たない
  • 低木である

しかしながら、高木タイプの果樹であっても、鉢植えにすることで成長を適度に抑制できます。庭植えの場合は背が伸びて手がかかるものの、鉢植えであればそれほど手をかけずに済む場合もあります。そこでこれから、鉢植えで育てると良い、お手軽果樹を4種類紹介いたします。

手間いらずで栽培可能!おすすめの放置型果植物4種

鉢植えで育てるのにおすすめな果樹は下記の4つになります。

  • ヤマモモ
  • 姫リンゴ

それぞれ紹介していきますね!

おすすめ鉢植え果樹①ヤマモモの魅力

鮮やかな紅色で魅了するヤマモモは、甘酸っぱくて美味しい果実が特徴です。この植物は大きな木に成長する果樹であり、地植えに適していて、その場合はおおよそ5〜10メートルほどになります。一方、鉢植えとして育てれば、木の成長を抑制でき、手軽に管理可能なサイズに保つことが可能です。

ほとんど手間がかからないのも大きな利点です。病気や害虫の心配も少なく、放っておいても育つ、手間いらずな果樹の一つです。ただし、1点気をつけなければならないことがあります。ヤマモモには雌雄異株の性質があり、実をつけるためには両性の植株を植える必要があること。この点に留意すれば、後は自然のリズムに任せて成長を楽しむことができるでしょう。

おすすめ鉢植え果樹②姫リンゴ

小さくて愛らしい果実をつける姫リンゴは、見た目の可愛らしさだけでなく栽培の手軽さも魅力です。人の手による授粉が不要で、根茎が表面に出ることのない果樹類に分類されます。特にオススメするのは「アルプス乙女」品種で、これはその小さな身に似合わぬ濃厚なリンゴの風味と、甘みと絶妙な酸味が楽しめるためです。生食時の渋味や酸味が気になる種類もありますが、アルプス乙女ならそんな心配は無用です。また、可憐な姿は観賞用としても人気を集めています。手間はかけずに、見た目も味も両方楽しみたいというガーデニング愛好家には、鉢植えでの姫リンゴ栽培がおすすめです。

おすすめ鉢植え果樹③栗

豊かな秋を彩る味覚の宝庫、栗は放置しておいてもよく育つ果物として注目されています。栗の木の主要な手入れは、実を間引くこと、実を拾うこと、そして枝を整えることが基本です。落ちた実を拾って割るだけで済むため、栽培に煩わしい作業はほとんど必要ありません。特にお勧めする品種は「ぽろたん」で、その皮を剥きやすさが特徴です。栽培に関わる手間は少なく、後は美味しく食べるだけ。秋の代表的な果実を簡単に育てたい方には、鉢植えでの栗栽培が最適です。

おすすめ鉢植え果樹④梅

さまざまな加工製品に変身する梅は、その加工の多様性から栽培を推奨したい果樹のひとつです。初夏の剪定作業を経て、その後は主に果実の収穫が主なお手入れとなります。場合によっては果実を間引いたり、人工的に受粉を促すことも考えられますが、基本的にそれらの作業は不要です。

2月から3月にかけて、可憐な白い花々を開花させてくれる梅は、あらゆる庭を美しく演出するでしょう。梅の中には単独でも果実を付ける品種が存在しますが、受粉用の別種植物があった方が、より豊富な収穫が見込めます。その差は大体20%ほどと言われています。

受粉樹を同時に植えることで、どの品種でもより多くの実を期待できます。鉢植えでも栽培が可能で、美しい花とおいしい実の両方を楽しめる果樹をお探しなら、梅は最適な選択肢となるでしょう。

放置してもいい果樹の栽培で必要不可欠な取り組み

“ほったらかし果樹”と称されているとは言え、植物には基本的なお手入れが必要です。最低限行うべき管理作業は下記の通りです。

  • 水やり
  • 施肥
  • 剪定

私たち人間が日常生活で必要とする行為、

  • 水分補給
  • 食事
  • 入浴

などと同じく、これらは植物にとっても必要不可欠です。

庭に植えられた果樹の場合、雨水によって水やりの頻度は減ります。しかし鉢植えの場合は、水やりを怠るとすぐに土が乾き、水不足を引き起こす可能性があるのです。これは絶対に避けなければならない点です。

剪定は見た目を整えるだけではなく、植物の栄養分を適切な場所へ届ける、病害虫の予防といった多くの重要な役割を持っています。

ほったらかしでも一定の管理をすることで果樹はうまく成長しますが、最低限のケアを怠ると、最悪の場合、植物が枯れてしまう恐れもあるので、注意が必要です。

まとめ

ほったらかしでも大丈夫な範囲で楽に栽培できる果樹たちを、今回は庭用と鉢植え用に分けて紹介させていただきました。庭に最適な手間いらずの果樹には以下のものがあります。

  • ブルーベリー
  • ニワウメ
  • グミ
  • グーズベリー

一方で、鉢植えに適した簡単に管理できる果樹としては、次の種類がおすすめです。

  • ヤマモモ
  • 姫リンゴ

低メンテナンスな果樹と言えども、丸ごとほったらかしというわけにはいきません。育てることに対する基本的な意識は持ち、最小限の手入れはしていただくことが大切です。簡単に育てられるほったらかし果樹を手にして、自宅でのんびりとした果樹園作りをお楽しみ下さい。