購入した数の子は、塩を用いた長期保存の工夫が施されております。いただく際には、数の子を塩から解放する工程を踏み、適切な下準備を行った後に調理するのが一般的でございます。
本記事では、数の子の塩抜きの基本的な手順と、簡単かつ時間を削減できる方法の2種類をご紹介いたします。
基本の数の子の塩抜き方法―失敗を防ぐコツ
数の子の塩抜きは、単に水に漬けるのではなく、適度な塩水を使うことで行います。
なぜ塩抜きに塩を使うのか?
初めて聞かれると不思議に思うかもしれませんが、これには「浸透圧」という原理が関係しています。つまり、塩分濃度が濃いところから薄いところに自然と移動する性質を利用し、塩分が辛い数の子からやや薄い塩水に移動させて塩抜きを行うのです。
数の子塩抜きを開始しました🐟 pic.twitter.com/Gz6IOxDeDY
— すみれみ (@kk_tjr) December 27, 2024
数の子 | 塩抜きの基本目安 |
---|---|
分量 | 水1リットル+塩:小さじ1 |
温度 | 20度以下(冷蔵庫:可) |
1回目 | 3時間 |
2回目 | 3時間 |
合計 | 6時間 |
【1】水1000mLに対し、塩小さじ1を溶かす
【2】塩水に数の子を漬ける量を用意する
【3】20度以下を保った状態でラップをし、初回の塩抜きを開始する
【4】3時間後、新しい塩水に交換
【5】2度目の塩抜きを行う
【6】薄皮は、裏表に沿って丁寧に剥く
以上が数の子の塩抜きの基本手順となります。
時間に余裕がある方は、この方法で塩抜きを行うと、味も食感も格別に良くなります。塩抜きの際の塩水の配合は、「水1リットルに対して塩小さじ1」が目安です。数の子を入れたボウルをラップで覆い、塩抜きを行います。
塩抜きの際は、室温でも冷蔵庫でも可能ですが、目安としては「20度以下」が適切です。逆に室温が25度を超えると、数の子が柔らかくなりすぎて、食感が損なわれることがあります。
最後に、数の子の薄皮は、くし目に沿って剥きます。裏側にも皮があるため、両面の薄皮を剥けば塩抜きは完了です。
お正月や特別な日に数の子の味付けをする際は、この手順までで一段落となります。楽しい料理の時間をお過ごしください。
短時間でできる数の子の塩抜き方法とは?3時間で完了!
正月の人気メニュー、数の子をあっという間に食べ終えてしまったことはありませんか?すぐにでももう一度食べたいと思うも、6時間も待つ時間がない…そんな時に役立つ時短レシピをご紹介します。少々食感は変わりますが、しっかりと美味しい数の子を楽しめます。
年末にクイズの予定ばかりぶち込んで、おせちをつくるスケジュールを計算していなかった。黒豆をいつ戻して煮るか。数の子の塩抜きをいつにするか。紫芋きんとんつくるタイミングも…。築地に買い出し行くのは28日と30日か。
— まこもだけ@『生き問オープン』記録集発売中 (@makomodake) December 27, 2024
塩抜き工程 | 時短の時間 | 備考 |
---|---|---|
1回目 | 1時間 | 40度のぬるま湯1Lに塩小さじ2を溶かす |
2回目 | 1時間 | 真水に浸す |
3回目 | 1時間 | 真水に再度浸す |
合計 | 3時間 |
- まず水1000mlに塩小さじ2を入れてください。
- 次に塩水を40度まで温めます。
- 温めた塩水に数の子を浸します。
- 1時間後、数の子の薄皮がむきやすくなるので取り除きます。
- 2度目は真水に1時間つけます。
- 3度目も真水で1時間浸します。
- 最後に水を交換して1時間後には塩抜き完了です。
40度のぬるま湯に水1000mlと塩小さじ2を混ぜた塩水で1時間浸すことで塩抜きを開始します。1時間経過後、数の子の薄皮を剥がし、その後は2回、1時間ごとに真水に変えて塩抜きします。これで合計3時間で簡単に時短で数の子の塩抜きが完成します。
数の子の保存期間と適切な保管方法
状態 | 塩抜き後 | 味付け後 | 塩抜き前 |
---|---|---|---|
冷蔵庫での保存期間 | 5日 | 3日 | 未開封:1~3ヶ月 |
保存方法 | 保存容器に入れて密閉 | 保存容器に入れて密閉 | 真空パックのまま |
数の子が店頭で購入できる状態、つまり塩漬けにされた状態では冷蔵庫内で「1~3ヶ月」の期間を持つ商品が多いです。塩抜き処理を行った後、密封容器で冷蔵保管する場合、日持ちは約5日を目処としてください。塩抜きしてからさらに味をつけた数の子は、冷蔵での保管を推奨し、保存期間はおおよそ3日間です。
ここで、失敗の少ない「基本の塩抜き方法」と「時間短縮が可能な簡単な塩抜き方法」をご説明しました。伝統的な手順に慣れ親しんでいる方には少々違和感があるかもしれませんが、最新の手法によっても食感は保たれます。新しい方法を試してみる一つの選択肢としてお考えいただければ幸いです。