ニンテンドースイッチの次世代機に関する発表は「今期中に実施する」と2024年5月にアナウンスされましたが、記事を執筆する現時点ではまだ発表がなされていません。「今期中」とは、2025年3月までの期間を指し、この時期までには公開される見込みです。ただし、インターネット上では一部に「2025年3月に発売される」とする噂が根強く残っています。
発売を心待ちにしている方にとっては、残念ながら2025年3月にニンテンドースイッチの後継機が発売される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。以下、その根拠について詳細に説明していきます。
発売はいつになるのでしょうか?
任天堂の新しいスイッチの後継機に関しての発売時期の正式な発表はまだされていません。また、製品の正式名称についての情報も公開されていない状況です。「今期中に行う」とされているのはプロダクトの発表であり、実際の市場への投入はそれ以降となるため、発表から一定の期間を経ての実際の発売が予想されます。
過去の発売パターンを鑑みると、2025年の後半から2026年の3月にかけての期間に発売される可能性が高いと見られています。よく言われる「2025年3月発売説」については、やや無理があるとの声もあり、市場状況や過去の流れを考えると望ましい発売時期とは言えないでしょう。
そういや、そろそろスイッチ後継機の発表があってもおかしくない時期か
— スラ (@slar_PadAE) January 3, 2025
発売に至るまでの期間について
今後のNintendo Switchの後継機に関して、2025年3月の発売が難しいとされる根拠は、現時点で公式発表がないことです。最速で2025年1月に公表があるとしても、最短でも3月の発売は非常に厳しいタイムスケジュールだと言えるでしょう。なぜなら、ゲーム機は高価な買い物であり、発表から発売までの期間を設けなければ、準備期間が不足し、現行機種を購入したユーザーからの不満も高まり得るからです。
これまでの実例を振り返ると、公式発表から商品の発売まで一定の間隔が空いています(※新情報→公表→発売の順に進行)。例えば、Wii Uは2011年6月に名称と概要が公表され、その後2012年9月に発売日が公表され、12月に発売されました。Wiiの場合も2006年4月に正式名称が決まり、その後発売日と価格が公表され、12月に発売されています。3DSもまた2010年6月の詳細な発表から始まり、9月には発売日と価格が公表され、翌年2月に発売されました。
この傾向から明らかなのは、先ず正式名称や概要を公表し、数ヶ月後に発売日や価格などが別途公表されることが一般的であり、仮に2025年1月にSwitchの後継機の公表があったとしても、その3月発売はほとんど不可能でしょう。実際、正式名称と同時に具体的な発売日が発表される事例は稀で、最近のケースを見ると発表内容が分散しています。
いくら「特例」として考えても、過去のWiiやWii Uを例に取ると、発売日の公表から発売までには数ヶ月の期間があります。したがって、Switch後継機が最早2025年1月に公表されたとしても、3月に発売することは過去の事例から見ても困難と言えるでしょう。現実的に見ると、2025年3月までの公表後、追加の発売日・価格公表があって、さらにその後半もしくは翌年前半の発売が妥当なタイムラインではないでしょうか。
みんなー、スイッチ後継機に備えろ
俺の予想だと1月に発表が、く、くる— ぴ (@yoyo_pikachi) January 2, 2025
3月におけるニンテンドースイッチのタイトル発表について
2025年3月にニンテンドースイッチの後継機が登場するというのは「ほぼあり得ない」とされる所以ですが、既に任天堂より3月20日に「ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション」の発売が決定しているからです。
この新作ソフトが発売される際にSwitchの後継機を同時に投入すると、任天堂が自社ソフトウェアの売り上げを自ら圧迫する形になる可能性があるためです。たとえ後継機がSwitchとの互換性を持っていたとしても、その売り上げに影響が出ることは否めません。
一部では、このゼノブレイドクロスが後継機との同時発売を見込んでいるとの予想もありますが、これは現実的ではありません。後継機版が同日に発売される場合に、Switch版のみの発表と予約受付を先行させる理由が見当たらないのです。
仮に後日「後継機版も同日に発売します」という告知があれば、すでにSwitch版を予約したユーザーの間でキャンセルが発生し、必然的に混乱を招くことになるでしょう。従って、後継機版がもし存在するなら、その発売日を先行して発表し、予約も同時に開始されるはずです。
しかし、ゼノブレイドクロスに関してはすでにSwitch版の発売日が明らかにされ、予約も進行中のため、後継機との同時発売の可能性は事実上ゼロと言えます。また、任天堂は近年、後継機が発売される月に前のハード向けの自社タイトルをリリースすることは避けています。
以上の点から、Switchの後継機が発売される時期にゼノブレイドクロスが合わせてリリースされる可能性は極めて低いと考えられます。実際、ニンテンドー3DSが発売された後も、旧機種であるDS向けソフトは発売されていましたが、3DSの発売月である2011年2月には任天堂からDS向けの新作はリリースされていませんでした。
3月は本年度において好ましくない時期
通常、3月はそれほど悪い時期とは言えませんが、今年は状況が異なります。2月28日には「モンスターハンターワイルズ」が発売されることから、購入層が限定されるため、往年のモンハンシリーズほどの売り上げは見込めない可能性があります。
しかしながら、その話題性は十分保たれており、「モンハン」発売後直後の3月に後継機を市場に投入することは、製品の注目度や売り上げに悪影響を及ぼすことが危惧されます。加えて、2月に新作モンハンが登場することで、告知や注目度にも変動が生じることが予想されます。
このような諸事情から、スイッチの後継機が3月に発売されることは、「ほぼあり得ない」と断言できる状況です。
ソフトウェアの動向から見る任天堂の戦略
任天堂は通常、新しいハードが市場に登場する前の約1年間で、現行機のソフトウェアのリリースが減少する傾向にあります。しかし、Nintendo Switchにおいては、まだ任天堂のタイトルが減少している様子は見受けられません。2025年1月にはドンキーコングシリーズ、3月には「ゼノブレイドクロス」がリリースされる予定であり、「メトロイドプライム4」や新たなポケモンゲームの発売も控えています。
確かに任天堂が直接主導して開発するタイトルの数は減っており、移植作品の増加が見られますが、それでも、WiiやWii U時代と比較してみると、発売直前であるにも関わらず、Switchの任天堂ソフトのラインナップは豊富です。後継機との互換性があるため、これが一因であると考える声もあるでしょう。しかし、互換性があったWii UやWiiの際にも、新型ハードの発売前は任天堂タイトルのリリースが大幅に減少していました。
例えば、2025年4月以降に任天堂タイトルのリリースペースが落ち着いた場合、2025年後半に何かが起こると予測されます。しかしながら、2025年3月までは任天堂タイトルのリリースペースが維持されているため、次のハードの登場は「まだ少し先」という可能性が高そうです。
また、2024年9月にはSwitch Liteのハイラル版がリリースされました。過去の傾向を考えると、「次のハードの発売1年前からは」新型モデルの導入は難しくなる傾向にあります(特に最近の据置型ゲーム機において)。この事実から推測するに、2025年3月に後継機が登場する可能性は低いと思われます。
総括
総合的に評価すると、Nintendo Switchの次世代モデルが2025年3月に発売されることは困難だと考えられます。実際にはもう少し先になることが予想されています。現実的には、2025年後半から2026年3月頃のリリースとなる可能性が濃厚です。