田心姫命(たごりひめのみこと)は、古来より日本の神話に名を連ねる神々の中でも、海や航海、漁業を守る女神として知られています。宗像三女神のうちの長女にあたり、その存在は多くの人々に崇敬されています。
遠い昔から、田心姫命のもたらす神威は、海上の安全な航行と豊かな漁獲を願う人々の間で信仰の対象となってきました。さらに、彼女が祀られる神社は、宗像大社を筆頭に全国各地に点在しており、参拝者は絶えません。
田心姫命への信仰は、航海のみならず、家庭の安泰や商売の繁栄といった幅広い分野に及ぶとされています。ここでは、そんな田心姫命の伝承とその恩恵について、深く掘り下げてご紹介いたします。
田心姫命とは?|宗像三女神について
田心姫命は、伝承に受け継がれる宗像三女神のうちの一神であり、海の守護や船の航行、漁の豊穣などを守護する神様とされています。この神様は、古来より海を中心に生活を営んでいた日本では特に重要な存在とされ、現代においても多くの人々に信仰される神格です。
田心姫命の性格と系譜
田心姫命は、天照大御神と須佐之男命の間で行われた「誓約」という重要な儀式の結果として誕生した三柱の女神の一柱であります。この儀式は、須佐之男命が自らの清廉さを証明する目的で執り行われた神事であり、その過程で天照大御神の玉から生まれ出たのが宗像三女神とされています。
の中でも、田心姫命は長女として知られており、母性と守護の力を体現する神として崇められています。特に航海や海の安全、さらには漁業の繁栄など、海と関連する事柄を司る神として、日本の古代の海洋文化において重要な位置を占めているのです。
#めがみめぐり
聖地巡礼 ムナカタ三女神
【オキツシマヒメ/奥津島比売命/田心姫】聖地『新日吉神宮』
所在地
京都府京都市東山区妙法院前側町451ムナカタ三女神の長女で霧の女神、オキツシマヒメ様の聖地です
ちなみに読みは『いまひえじんぐう』です
お間違えの無いよう注意されたし pic.twitter.com/EuMv5N36aG— 佐羽クモハ (@Travel_Goddes99) November 1, 2024
宗像三女神の概要
宗像三女神とは、田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命という三柱の神々を指します。海の神様として親しまれており、日本の海の守護と人々の安全保障を司るとされています。
彼女たちは、太陽を司る天照大御神によって、この責任ある役目を託された存在と伝えられています。福岡県の宗像市に拠点を置く宗像大社には、これら三女神が祭神として奉られています。
宗像大社は沖津宮、中津宮、辺津宮という三つの宮から構成され、それぞれに一柱ずつの女神が分かれて祀られているのです。
中でも田心姫命は、宗像大社の最も内側に位置する沖津宮において祭られており、海上の安全を願う上で特に重要視される神様であると言われています。
田心姫命のご利益
田心姫命は、海上交通の安全、豊かな漁獲、商業の発展など、海や水にまつわる利益を与える神として知られています。長女としての神格にちなみ、家族や人々の守り神としての力も強いと信じられ、多くの信者によって信仰されているのです。
田心姫命への信仰を持つ人々は、次の願いを込めた祈りをささげます。
- 航海の安全を祈る
- 漁業の充実を願う
- 家庭の安泰と繁栄を願う
- 商売の隆盛を願う
これらの恩恵により、田心姫命は古来より現代にいたるまで、多数の信者にとって尊い守り神として崇められ続けています。
宗像大社と田心姫神
日本神話にその名を連ねる最も古く由緒ある神社のひとつ、宗像大社は福岡県宗像市にその地を固めています。ここには天照大御神の三女神が御祭神として祀られており、三宮はそれぞれ沖津宮で田心姫神、中津宮で湍津姫神、辺津宮で市杵島姫神として奉られています。
これらを合わせて宗像大社と称しています。伝承によれば『日本書紀』にて、天照大神は宗像三女神に宛て、「天皇のお世話をせよ。そうすれば、天皇によって祭り上げられるであろう」との言葉を残しています。
宗像は、かつて日本の国際港として外交や商売、また国防の要として機能していました。沖ノ島で発掘された約8万点にも及ぶ国宝は、この地がかつて国家的な祭祀の中心地であったことを示しています。
第四世紀から第九世紀にわたり捧げられた多くの品々からは、天皇の勅使によって盛大に実施された祭祀の痕跡が見て取れます。これは、田心姫神をはじめとする宗像三女神が、日本の長い歴史において重要な役割を果たしてきたことを物語っています。
厳島神社との関わり
宗像三女神のなかで、市杵島姫命は広島県にある厳島神社の祭神として広く知られています。しかし、田心姫命もまた厳島神社と深いつながりを持つ神様です。厳島神社は海の神様をお祀りする神社として名高く、平安時代以降、海上交流の要所として繁栄しました。
そうした商業活動の中心であったのが、宗像三女神です。そのうちの一柱が田心姫命であり、同神社でもお祀りされています。厳島神社は、風光明媚な海上に浮かぶ社殿や、華やかな朱色の鳥居で有名ですが、それらには田心姫命を含む宗像三女神の加護を願う信仰心が根底に流れています。
市杵島姫命(いちしきまひめのみこと)、
田心姫命(たごりひめのみこと)、
湍津姫命(たぎつひめのみこと)、
その上に天照大御神。。天照大御神、嚴島(宮島)とは、
「神に斎く(いつく = 仕える)島」「反対」に執着すると、その事象を引き寄せる。
具現化してしまう。
これは経験からですが、 https://t.co/5VUqFRrLA4— もちゃ(るーもす) (@IyEa6ok1u) October 23, 2024
まとめ
タゴリヒメノミコトは、日本神話において重要な位置を占める海の女神であり、ムナカタサンジョシンとして古来より海運や漁業の発展を支えています。彼女から授かる恩恵は、海に関わるものに限らず、人々の暮らしや商売の繁栄にも影響を与えています。また、イツクシマジンジャを含む全国の神社で、現在も彼女への祈りが継承されております。タゴリヒメノミコトを通じて、日本の神話や歴史はもとより、現代に生きる信仰の力を実感する機会にされてはいかがでしょうか。